2. プラス・マイナス・プラス修正法

「プラス・マイナス・プラス」修正法は、前向きなフィードバックと修正点を組み合わせて、選手の成長を効果的に促す方法です。選手の意欲を守りつつ上達につなげる指導法であり、優れたコーチングとは技術だけでなく、選手の気持ちも育てるものであるという考え方を反映しています。

この方法には2種類あり、それぞれ目的が少し異なります。
一つは「正しい動き → ミス → 正しい動き」の順で見せて理解を促す方法、もう一つは「良い点 → 修正点 → 励まし」の流れで、指摘を受け入れやすくする方法です。
状況に応じて使い分けることで、より効果的な指導ができます。

種類①:正しい動き → ミスの動き → 再度正しい動きを示す(プラス・マイナス・プラス)

この方法は、正しい動きと選手のミスを対比させ、何が問題だったのかを視覚的・感覚的に理解させるのに適しています。

1. 最初の実演 ― 正しい動きを見せる(プラス)

まず、正しい技術を実演し、選手に目標とすべき基準を示します。

コーチの声かけ例:
「こういう動きを目指します。パドルを上向きに滑らかに振り上げ、フィニッシュは高めの位置です。」

正しい動きを最初に見せることで、選手は改善の方向性をつかみやすくなります。

2. 次の実演 ― 選手のミスを再現する(マイナス)

次に、選手が実際にしていたミスの動きを再現し、どこが問題だったのかを明確にします。

コーチの声かけ例:
「今の動きはこうなっていました。(実演)スイングが急で身体の前を横切り、フィニッシュが低くなっていました。そのせいでショットの高さと軌道がずれてしまったんです。」

選手を責めるのではなく、動きそのものを客観的に説明することがポイントです。

3. 最後の実演 ― 再び正しい動きを示す(プラス)

最後に、もう一度正しい動きを見せ、選手に改善後のイメージを強く植え付けます。

コーチの声かけ例:
「正しい動きはこうです。滑らかな加速、上向きのスイング軌道、そして高いフィニッシュ。打つときにこの感覚を意識してください。」

選手は明確な成功イメージを持って、次の動きに取り組めるようになります。


種類②:良い点 → 修正点 → 励まし(プラス・マイナス・プラス)

このバージョンは、最初と最後に良い点を伝えることで、選手が修正点を受け入れやすい心理状態をつくる方法です。

1. プラス ― 良い点を伝える

まず、選手がうまくできている部分を認め、前向きな気持ちでフィードバックを受けられるようにします。

例:
「今のショット、フットワークがとても良かったです。体のバランスも動きも安定していました。」

2. マイナス ― 修正点を伝える

次に、改善が必要な点を具体的に分かりやすく伝えます。

例:
「ただ、パドル面が開きすぎてしまい、軌道がずれていました。インパクトでは手首をしっかり固定してパドル角度を保ちましょう。」

3. プラス ― 最後に励ましや前向きな言葉で締める

励ましの言葉をかけたり、別の良い点を改めて強調して伝えることで締めくくります。こうすることで、選手はサポートされていると感じ、前向きな気持ちで改善へ取り組む意欲が高まります。

例:
「もう本当にあと少しです。少し修正するだけで違いがわかってくると思います。今の努力を続ければ、このショットをマスターできます。」

適切な種類を選ぶ

プラス・マイナス・プラス修正法のどちらの使い方も、価値のある指導手段です。どちらを用いるかは、状況と選手のニーズによって判断します。

実演を中心としたフィードバック
選手が自分の動きと正しい動きの違いを、見て・感じて理解する必要がある場面に適しています。

前向きな言葉で支えるフィードバック
信頼関係を築きたい時、考え方の切り替えを促したい時、意欲を維持してほしい時に効果的です。

状況によっては、両方を組み合わせることも適切です。
たとえば、良い点を言葉で伝えながら、正しい動作を実演する方法などがあります。

どの方法を使う場合でも、目的は共通しています。
選手の自信と学ぶ意欲を保ちながら、必要な修正へと導くことです。

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